開発経緯
カロリーアンサーは、これまで培ってきた光学系や精密機器のモノづくりの経験を活かし、 (地独)青森県産業技術センターと共同開発した、世界初の画期的なカロリー測定器です。
従来、食品のカロリーを知るためには、専門の分析機関に依頼し、結果がわかるまで数日を要していましたが、
本製品はわずか数分でこれを実現します。
さらに、カロリーの他にタンパク質・脂質・炭水化物・水分など、食品に含まれる成分量も同時に測定が可能です。現在、世界6カ国で特許を取得しています。
測定原理
カロリーアンサーの測定には、「近赤外分光法」という技術が応用されています。「近赤外分光法」とは、測定対象に近赤外線を照射し、その光が分子振動との共振作用によって、吸収される度合い(吸光度)の変化により成分を算出する分析方法です。
さまざまな分野で注目・利用されている技術で、カロリーアンサーでは、食品に近赤外線を照射し、吸光度や吸収波長を調べることで、カロリーや成分量を特定・算出しています。
従来の食品理化学分析との違い
食品の栄養成分を導く方法として、食品理化学分析は最も一般的かつ信頼性が高い方法と言えます。
しかしながら、専門の分析機関に依頼し、検査結果が出るまでに約7~10日前後を要することや、分析機関によっては、成分毎に料金が加算される場合もあり、あまり手軽とは言えないのが現状です。
カロリーアンサーでは、数分で測定が可能で、その場で結果がわかるため、商品開発や管理栄養士の補助など、スピードが求められる現場で大きな効果を発揮します。
栄養成分表による算出との違い
七訂など食品栄養成分表に基づいて算出する方法もあります。
ただし、成分表に記載されている数値は平均値であり、実際の栄養成分は食品の状態や、加工の過程、産地や季節など、様々な要因によって異なるもので、適正とは言えない面があります。
カロリーアンサーによる測定では、対象の食品を直接測定するため、食品の状態による個々の違いも含めて、リアルタイムに測定が可能です。
音響光学フィルタ(AOTF:Acousto-Optic Tunable Filter)
カロリーアンサーに使用されている「音響光学フィルタ」は、二酸化テルル(TeO 2)単結晶内を伝播する、横波超音波によって生じる光の異方ブラッグ回折を利用したもので、駆動高周波信号の周波数と振幅を変調することで、入射光を任意の波長と強度で回折出射できます。
想定用途 | 高速分光器, 色分解装置など |
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駆動電力 | 2 W以下 |
分光速度 | 波長は約 10 μs、200 波長分割で約 4 ms オフ期間を 10 μs見込む |
分光波長域 | 近赤領域(1100 ~ 2200 nm)選択可能 |
分解能 | 7.5 nm(波長 1300 nmにて) |
最大回折効率 | 65 %以上 |
駆動周波数 | 40 ~ 82 MHz |
最大電気入力 | 許容は 4 W以下 |
入力インピーダンス | 50 Ω(公称値) |